毎年いろいろな国を旅し、たくさんの方々との出会いを通じて、いろいろなものの見方、考え方、そしていろいろな幸せのあり方、幸せの感じ方があることを学ばせていただいています。特に痛感するのは、日本が本当に素晴らしい国であることです。2019年のコラムの最終回である今回取り上げるのは日本です。旅を通じて出会った幸せの達人から学ばせていただいた、幸せのヒントをお伝えしたいと思います。
カテゴリーアーカイブ: 50か国をめぐって教えてもらった世界の幸せ(2019)
ムーミンに学ぶ幸せのヒント(フィンランド編)
一人当たりの国内総生産(GDP)だけでなく、健康、社会的支援、信頼、自由、寛容さなどの要素を基準に国連が発表する「世界幸福度ランキング(ワールドハピネスレポート)」で2018年に1位となったのは、サンタクロースの故郷といわれているフィンランドでした。日本のランキングは54位とあまり高くありませんでした。
北欧に共通する幸せと、世界一の幸せのフィンランド
毎年、世界幸福度ランキングで上位を占めるのは北欧諸国です。北欧というとフィンランド、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンの4か国のことをいうことが多いのですが、これにアイスランドを加えた5か国を北欧と呼ぶこともあります。
この、北欧の国々に共通するのは、税金と社会保障をあわせた国民負担率が、約70%と非常に高いこと、その一方で、教育費、医療費、出産費用が無料というところに特徴があります。また、あまり物質に執着しないシンプルな暮らしにも共通点がみられます。
僕自身、北欧に初めて訪れたに時に感じたことは、北欧での幸福は、毎日が楽しく、ワクワクするような幸せ(the happiest)というよりも、どちらかというと、将来への不安が少ないという意味での幸せ(the least unhappy)なのではないかということです。しかし、何度も北欧の国々を訪れ現地に住む友人たち話していると、それぞれの国ごとに、幸せの感じ方、そして、幸せへの取り組みが違うことがわかってきました。
今回は、北欧の国々の中でも、世界幸福度ランキング1位になったフィンランドにフォーカスしてみます。フィンランドでは、2017年1月~2018年12月までの2年間、実験的にベーシックインカムが実施されました。具体的には、無作為に選ばれた2000人の失業者に対して、働く、働かないに関係なく、国は、毎月560ユーロ(約7万円)を支給しました。現在までのところ、まだ、暫定的な結果しか発表されてませんが、少なくとも、ベーシックインカムを受け取った人の幸福度は向上したとのデータが出ているようです。
1991年にソ連が崩壊したことでフィンランドの貿易は途絶え、失業率が20%と5人に1人が失業する経済危機に陥りました。その時、政府がまず最初に考えたのは優秀な人材の育成です。そして、1994年から教育改革を行ない、教育の内容を見直すとともに、大学までの教育費の無償化を実施し、それが、現在の高い学力、高い幸福度にも結びついているようです。
第2回:古代文明に学ぶ幸せのヒント(エジプト編)
前回のモロッコに引き続き、アフリカ大陸から、今回は、エジプトで発見した幸せをご紹介します。エジプトは、中東とアフリカ大陸を結ぶ国で、国の中央を世界一の長さを誇る6,650キロのナイル川(アマゾン川は、6,516キロで世界で2番目)が流れます。
最も有名なのは、カイロにある約4,500年前に建造されたクフ王の大ピラミッドやスフィンクスかと思いますが、ルクソールのルクソール神殿、カルナック神殿、また、建築王ラメセス2世が約3,000年前に自己顕示欲から建造させたという、巨大岩窟神殿のアブシンベル大神殿など、どれもその一つ一つが巨大で迫力があり、古代から文明が栄えていた歴史と、アートなエジプトを感じます。
第1回:星の王子さまに学ぶ幸せのヒント(モロッコ編)
2012年に国連が制定した「International Day of Happiness(国際幸福デー)」を少しでも多くの方に伝えたいという想いから、2019年3月17日に幸福について考えるイベント「国際幸福芸術祭」が開催されます。この芸術祭は、様々なタイプのアートを体験することにより、誰もが自分らしく創造的な活動を行って幸せになれることを体感していただくことを目的とするフェスティバルです。
国連では毎年、「世界幸福度ランキング(ワールドハピネスレポート)」が発表されます。2018年の1位はフィンランド、そして、2位ノルウェー、3位デンマークと北欧諸国が続きます。では、日本は、というと54位でした。でも、本当に、世界幸福度ランキングの上位国は幸せなのか、そして、上位国は、どうして幸せなのか。世界50か国を旅して、いろいろと気づかされた幸せについて、お伝えしたいと思います。
(過去のコラムは、こちらをご参照ください)